アートはビジネスである【異論は認める】

アートはビジネスである【異論は認める】

2022年10月20日

筆者自身、「アートはビジネスである」と心から思っています。正確に言うと、「アートとビジネスを切り離すことはできない」ということを皆さんに伝えたいのです。

全てのアーティスト、デザイナーへ。クリエイティブな発想の小さなきっかけになるように。



 

アートの目的とは

自由に絵を描き、好きなものを作る。この活動の最終目的は自己満足。これこそがアートの真髄だと思う一方で、現代においてその創作物は写真に収められ、人に見せたりSNSにアップしたりする。目的の「自己満足」を感じるために世間の評価や他者の介入が慣習化されているのではないでしょうか。

皆が自然と行っているこの行為こそがビジネスなのです。

そもそもビジネスの意味は?

ビジネスとは、辞書を引くと「仕事。実務。事業。商業上の取引。」とあります。

お金という印象を持つかもしれませんが、たびたび「お金を含まない利益」という意味でも使われます。私がアートと密接に関係すると提言したのはこの意味のビジネスです。つまり、何かしらの見返りや評価、意見などのリアクションを求める行動の先にアートが待っているのだと考えます。

歴代のアーティストで考えてみる

ゴッホやゴーギャン

ゴッホやゴーギャンは画家としての評価を受けたのは死後です。死後、作者の経歴や思想、画法が再評価され、オークションにかけられたことで、全世界へ“アート”として認知されました。結果として偉大なアーティストと呼ばれていますが、生きているうちにビジネスは成功しなかった事例です。

生前のゴッホと、あなたは今同じ境遇なのです。

ピカソやバンクシー

逆に健在で成功したと言える今話題のアーティスト“バンクシー”はどうでしょうか。

社会風刺をテーマにした作品の多くは、街の壁や公共の場に描かれました。そしてこれが世界へ認知されることこそがバンクシーアートの価値なのです。誰にも知られず、ひっそりとスケッチブックに風刺画を描いたとして、誰がバンクシーを知り得るのでしょうか。誰が週刊誌に描き、ネットで話題にし、オークションを開くのでしょうか。

「理解される作品」であるかは重要ではありません。とにかく認知されるかどうかがアートです。

それはどんなに幸運でもゴッホにしかなりえません。

ピカソもまた生前から利益を追求した画家として有名です。


まとめ

実はいつの時代もアートで成り上がるためには、他者を巻き込み、世間から評価を受ける行動が必須なのです。ネットやSNSが普及し、誰でも簡単に世界の人へ発信できるこの時代。多くの評価を勝ち取るのは至難の業と言えますが、アーティストがアーティストでいるために、作品の仕上げ作業として“ビジネス“というエッセンスを加えることが重要なのです。

異論は認める。